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DTPにおけるOCFフォント
和文PostScriptフォントは、当初OCFと呼ばれる形式のものが販売され、普及していました。OCFは、少ない文字数しか扱えないフォーマットのフォントをいくつも積み重ねて多数の文字を扱えるようにした規格であったため、その後データ構造を簡略化したCIDフォントが登場し、フォントベンダーはこちらへの置き換えを推奨しましたが、現場では現在にいたるまでOCFフォントが根強く使用されており、それによって互換性の問題を引き起こしています。
逆にOCF-CID間の問題をうまく解決できることが組版・印刷のスキルとして評価されるようです。リプレース(置き換え)が進まない背景には、CIDへの交換にかかるコストの問題がありました。
編集機にインストールするATMフォントだけならばさほどのことではなかったのですが、校正用プリンター、さらには製版フィルムを出力するためのイメージセッター用のフォントは解像度が高い分価格も桁違いであり、不景気の中で印刷会社の足を引っ張っていました。
また、和文フォントのトップベンダーであるモリサワが、当初リリースしたCIDフォントは、アウトライン情報が取得できない仕様であったこと(Illustratorなどで図形化できないため、出力機側にも必ずフォントが必要になる)、OCFと同じフォント名がつけられていたこと(一つのマ シン上で混在ができない)などがユーザーの反感を呼び、それらを改善したNew-CIDフォントを改めて発表することになるなどの経緯もあり、現在、Mac OS XやOpenTypeへの移行という流れが起きています。
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